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大学共同利用機関法人自然科学研究機構年度計画(平成25年度)(5ページ) 分子研リポート2012 | 分子科学研究所

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(1)

9-12 大学共同利用機関法人自然科学研究機構年度計画(平成 25 年度)

(V I 以降を省略)

I. 研究機構の教育研究等の質の向上に関する目標を達成するためにとるべき措置 1. 研究に関する目標を達成するための措置

(1)研究水準及び研究の成果等に関する目標を達成するための措置

①. 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(以下「本機構」という。)は,天文学,核融合科学,分子科学,基礎生物学,生理学 の各分野(以下「各分野」という。)における拠点的研究機関(以下「機関」という。)において,以下の各計画のように,国 際的に高い水準の学術研究を進める。

②. 岡崎統合バイオサイエンスセンターにおける連携研究を推進するため,生命システムの動的秩序の統合的理解を目指すことを 新たな目標として掲げ,3つの新研究領域(バイオセンシング研究領域,生命時空間設計研究領域,生命動秩序形成研究領域) に組織を改編し,分子から個体までのさまざまな階層にまたがる重点課題についての研究を開始するとともに,これら研究を 担う特任准教授を公募により採用する。

③. 新分野創成センター・ブレインサイエンス研究分野においては,本センターから申請し,採択された新学術領域(包括脳)終 了後の計画について,我が国の脳研究の在り方を踏まえながら検討する。脳研究における新しい分野開拓について,若手を中 心にブレインストーミングを行いながら将来計画を立案する。また,ニホンザル及びマーモセットの発生工学を含むサルを用 いた実験的脳研究課題を募集し,高次脳機能の解析とその分子生物学的基盤を探求する研究施設「認知ゲノミクス基盤研究セ ンター(仮称)」の設置実現に向け,実績を積み上げる。

. . 新分野創成センター・イメージングサイエンス研究分野においては,各機関の持つイメージングデータを活用した3次元・4 次元画像化を進める。情報科学と科学計測の融合を目指した新分野「画像情報科学」の創成に向け,引き続き,「画像科学コミュ ニティ」から課題を募集し,実績を積み上げる。情報交換や情報収集を行うとともに,研究会/シンポジウム開催等の活動を 通して,コミュニティの拡大を図り,「画像科学」の創成を図る。

. .更に,これまでの議論をふまえ,新たな研究分野として「宇宙における生命」を設置する。  各分野の特記事項を以下に示す。

(国立天文台)

①. すばる望遠鏡を用いた初期宇宙の天体形成の解明や太陽系外惑星の検出等の重点プログラム,アルマ望遠鏡によるミリ波/サ ブミリ波天文学研究,野辺山宇宙電波観測所の 45m ミリ波望遠鏡と A S T E .10m サブミリ波望遠鏡の連携による電波天文学研究, 天文広域精測望遠鏡(V E R A )による高精度位置天文観測などを推進する。

②. 大学等との連携のもとに,理論天文学,光赤外天文学,電波天文学,太陽・天体プラズマの先端的研究を進めるとともに,独 創的開発研究を推進する。

③. すばる望遠鏡の次世代観測装置である超広視野主焦点カメラ(H S C )の現地試験を完了し,共同利用及び戦略的観測プログラ ムを開始する。また,超広視野主焦点分光器及び波面補償光学を利用した次世代装置の検討を進める。

④.岡山天体物理観測所に設置予定の京都大学新光赤外線望遠鏡の技術開発等を,京都大学,名古屋大学等と協力して行う。

⑤.宇宙航空研究開発機構と協力して太陽観測衛星「ひので」を運用し新たな成果を得るとともに,野辺山太陽電波観測所をはじめ, 他の太陽観測衛星・施設との共同研究を推進する。

⑥. 平成25年度から運用開始する新しいスーパーコンピュータの共同利用運用を定常化させる。また,それらを駆使したシミュ レーション天文学を推進し,数値天文学の世界的センターとしての学術水準を維持する。

⑦. 大型低温レーザー干渉計型重力波望遠鏡「かぐら(K A G R A )」の建設と装置開発を東京大学宇宙線研究所や高エネルギー加速 器研究機構などの各機関と協力して進める。

⑧.アルマ計画において,受信機の製作を完了すると共に,本格運用を継続する。

⑨.米国ハワイ州マウナケア山に T MT (30m 光赤外線望遠鏡)を国際協力により建設することをめざし,国際協議をさらに継続し, 核心技術の開発実証を進める。

⑩. 次期太陽観測衛星計画の検討をまとめ,機会を捉えて具体的なミッション提案を行うとともに,将来の位置天文観測衛星,太 陽系外惑星探査衛星,月惑星探査衛星等の実現に向けて検討・基礎技術開発を進める。平成26年度打上げ予定の小惑星探査衛 星の機器試験を進める。

⑪.暦を決定する業務として暦象年表を発行するとともに,暦要項を広く社会に公表する。

⑫.高精度時刻維持により協定世界時の決定へ寄与する。また,インターネットへの時刻基準提供サービスを行う。

(核融合科学研究所)

①. 大型ヘリカル実験装置(L H D )において,閉構造ダイバータの排気能力の拡充によって粒子制御能力を高めるなど,プラズマ を高性能化するための機器整備を進める。更なるイオン温度の向上や,より高温高密度の定常プラズマの実現を目指した実験 などを共同利用・共同研究からなる計画に沿って実施する。得られた高性能プラズマを対象として,精度の高い計測と数値解 析を組み合わせた学術研究を進め,プラズマの振舞の物理機構の解明を図る。次年度以降の加熱電力増力や運転信頼性向上の ための機器整備を行う。

②. 性能向上したプラズマシミュレータ(スーパーコンピュータ)の有効活用により,核融合プラズマ閉じ込めの物理機構解明, その体系化及びヘリカル型数値試験炉の構築等の一連の理論・シミュレーション研究の進展を図る。特に,流体・運動論・ハ イブリッドコード,多時空間スケールコード,統合輸送コード,データ解析コード等の整備・拡張を進めるとともに,L H D プ ラズマをはじめとする磁場閉じ込めプラズマの3次元平衡,輸送,不安定性,非線形発展及び関連する物理特性に関するシミュ レーション研究を行う。

③. 制御核融合の実現のための工学プロジェクトを推進し,原型炉の概念設計の基本案をまとめる。更に基本設計に向けて必要と なる超伝導コイルシステム,ブランケットシステム,機器構成材料,高熱流機器,及び水素同位体,等に関する研究設備を新 たに強化整備することによって,炉工学基盤の構築を目指した実験研究を推進し,併せて,基礎学術・学際研究の推進を図る。

(基礎生物学研究所)

①.生殖や発生,多様性の獲得,環境応答のしくみ,行動など高次機能の制御を含めた生物の営みのしくみを解明する。そのために, 遺伝子,細胞内小器官,細胞の役割,エネルギー受容,細胞間シグナル,細胞間ネットワーク,生物共生の機構などについて, 新規モデル生物の開発やライブイメージング,次世代 D N Aシーケンサーなど最先端研究手法を用いることによって世界を先導 する独創的な研究の推進を図る。

②. モデル生物研究センター並びに生物機能解析センターの活動をさらに充実させ,変異体リソースやデータベースの拡充,及び 小型魚類の変異遺伝子スクリーニング系の提供を行う。また,生物遺伝資源の保存のための大学連携バイオバックアッププロ ジェクト(IB B P)を本格稼働し,研究拠点機能を一層強化する。

③.連携する大学サテライト拠点と協力し,IB B P をさらに強化するとともに,研究者が利用しやすい運営体制の整備を行う。

(2)

④. 既存のモデル生物では研究することが困難な生物現象の解明を目指して,特徴ある生物を新規にモデル化し多様な生物機能を 研究する拠点を形成する。

(生理学研究所)

①. 生体の働きを担う機能分子の構造,その動作・制御メカニズム,生体機能への統合を解明するとともに,それらが破綻した際 の病態等に関する研究を進める。

②. 生体恒常性の維持,脳神経における情報処理とその発達,記憶学習等のメカニズムを分子・細胞レベルで解明するとともに, それらの病態への関わりに関する研究を進める。

③. 痛覚・掻痒・視覚等の感覚・認知や四肢・眼球の運動制御等の脳内機構に関する研究,これらが障害された病態生理や治療法 に関する研究,及び判断・感情や対人関係などヒトの高次機能や社会的行動等の神経科学的基盤を明らかにする研究を進める。

④. ウィルスベクターを用いた遺伝子発現によって特定神経回路機能を操作して機能を解析する研究手法を用いて,脳機能の解析 を行う。ブレイン・マシン・インタフェースを応用し,脳神経系障害や神経疾患の病態と代償・回復メカニズムについて調べる。

⑤. 分子・細胞から個体に至る各レベルでの生体機能の可視化に関する研究を進める。可視化のためのプローブ・ベクターの作製, イメージング技術開発・改良等を行う。新たに設置したミクロトーム組込み型の三次元走査型電子顕微鏡(3D - S E M)を用いた 神経結合の網羅的解析(コネクトミクス)等を行う。

(分子科学研究所)

①. 理論・計算分子科学研究領域が中心となって,電子状態計算による機能性分子等の構造・反応性及び電磁波との相互作用,生 体高分子等の複雑系の構造変化ダイナミクスに関する理論的研究を行う。

②. 光分子科学研究領域が中心となって,先端的なレーザー光源やコヒーレント放射光源の開発と,それらを駆使した極限的な光 計測法や光制御法の開発を進める。それらを用いて,孤立分子系から多体系に至る様々な物質相における極限時空間スケール での光−物質相互作用の観測と制御を試み,光分子科学の格段の進展を目指す。

③. 物質分子科学研究領域が中心となって,有機太陽電池素子・機能性有機化合物・磁性薄膜などの創成・開発並びに新規物性・ 機能探索,及び,これらの分子性物質の機能物性解析のための新規分光学的手法の開発等の研究を行う。

④. 生命・錯体分子科学研究領域が中心となって,金属錯体及び機能性タンパク質の統合的基礎研究に立脚し,蛋白質が関与する イオン輸送,物質変換,情報伝達の分子機構解明,蛋白質の構造形成原理や生体リズムなどの機能発現原理の追求,エネルギー 変換や物質構造変換を指向した遷移金属反応系の開発等の研究を行う。

(2)研究実施体制等の整備に関する目標を達成するための措置

①. 個々の研究者が応募できる研究推進経費の充実,及び研究進捗状況の審査を踏まえた若手研究者への経費の助成もしくは重点 配分など,効果的な経費の配分を行い,個人の自由な発想に基づく学術研究等を進展させる。

②. 大型研究プロジェクトに関しては,本中期目標・計画の達成に向け,研究者コミュニティの議論も踏まえつつ,各機関内の柔 軟な研究連携を組織的に推進する。

③.新たな研究分野の設置に向けて新分野創成センター構成員の拡充を図るなど組織運営を充実する。

. . ブレインサイエンス研究分野では,研究者コミュニティから若手研究者を登用し将来計画などを検討する組織及び「認知ゲノ ミクス基盤研究センター(仮称)」の設置に向けた準備組織を整備する。

. . イメージングサイエンス研究分野では,関係する国内外の研究者との連携を深め,自然現象のイメージング化の研究を推進す る体制をさらに充実させるとともに,生命科学研究分野における画像取得や画像データ解析のための新たなソフトウェアの開 発,定量的解析手法の確立などの展開を進める体制を確立する。

. . 更に,「宇宙と生命」に関する研究者コミュニティの意見を踏まえ,新たな研究分野「宇宙における生命」を推進する体制を確 立する。

2 共同利用・共同研究に関する目標を達成するための措置

(1)共同利用・共同研究の内容・水準に関する目標を達成するための措置

①.引き続き各研究施設の高性能化・高機能化を図り,より国際的に高い水準の共同利用・共同研究を進める。

②.各機関において,その研究分野に応じた学術研究ネットワークの中核拠点としての共同利用・共同研究を引き続き実施する。 . . 国立天文台では,大型観測装置を共同利用に供するほか,電波 V L B I 分野及び光赤外分野において,大学間連携の枠組み等に

より天文学研究ネットワークの中核拠点としての役割を果たす。

. . 核融合科学研究所では,双方向型共同研究における連携強化や一般共同研究におけるネットワーク型の推進など,中核拠点と して,共同研究に参画する大学間の交流を一層進め,大学の研究活性化に貢献する。

. . 基礎生物学研究所では,IB B P センターの本格的運用により大学等研究機関の生物遺伝資源のバックアップを一層推進する。ま た精密な環境制御下で生物の環境応答を多元的に解析するための設備を導入し共同利用・共同研究を開始する。

. . 生理学研究所では,脳科学・生理学研究に必要な実験動物やツール・技術の開発・供給,及び先端的研究機器の共同利用を通 じて学術ネットワークの中核拠点としての役割を果たす。特に,ウィルスベクターの供給,三次元走査型電子顕微鏡(3D -S E M) を用いた神経結合の網羅的解析の共同研究を開始する。

. . 分子科学研究所では,化学分野における先端的研究設備を利用した共同研究を推進するとともに,そのノウハウを大学でも活 かせるように,大学内外での相互利用を支援する取組を実施する。また,活発な人事流動を生かして,大学等との双方向の共 同研究を推進する。

 各分野の特記事項を以下に示す。

(国立天文台)

①. すばる望遠鏡による国内外の共同利用,次世代装置の共同開発や,T M T (30m 光赤外線望遠鏡)実現のための国際連携を強化 する。

②. アルマ望遠鏡を主軸とするサブミリ波天文学の東アジアの拠点として,アルマ東アジア地域センターにおける国際共同利用・ 共同研究を継続して進める。

③. 将来の太陽観測衛星,月惑星探査衛星等の搭載機器をはじめ,種々の観測装置の共同開発,共同利用を全国の大学等と協力し て進める。地上の望遠鏡や「ひので」,「かぐや」などの衛星によって取得されたデータの共同利用を推進し,その成果に関す る情報を広く発信する。また,国立天文台内装置等からの大量観測データの解析・公開機能を充実させ,情報処理技術とデー タ利用技術を天文学に融合したバーチャル天文台の運用と,これを利用した研究を進める。

(核融合科学研究所)

①. L H D 実験への参加及び実験データ利用を促進するための方策を,海外を含めた共同研究者コミュニティと議論し,合理的な方 策を実施することによって実験参加及びデータ利用の促進を,引き続き図る。これにより,国内外との共同研究を更に推進する。

②.理論・シミュレーションによる国内外共同研究を積極的に推進する。また,大型計算機を用いた共同研究・共同利用環境の整備, シンポジウム・利用講習会・教育講座等の開催によるシミュレーション科学の普及及び研究交流を進める。

(3)

③. 炉工学研究の拠点として,材料・ブランケット・マグネット・高熱流機器・トリチウム研究などを国内外の共同研究,特に双 方向型共同研究を活用して推進する。並行して,これらに必要な研究設備を強化整備する。

④. 国際熱核融合実験炉及び「幅広いアプローチ」等の国際事業や,慣性核融合等の国内事業に対して,卓越した研究拠点として 大学とともに連携研究を推進する。

(基礎生物学研究所)

①. IB B P の事業遂行に当たり,生物機能解析センター及びモデル生物研究センターと連携し高度の品質管理を行うとともに,ラボ オートメーション設備を用いて塩基配列情報等の整備を行うことで,生物遺伝資源の付加価値を向上させ,大学間連携による 共同研究の基盤を強化する。また,基生研コンファレンス等を通じて,国際共同研究の核としての活動を行う。

②. 生物の生育環境を精密に制御し,個体/組織/細胞の動態や遺伝子発現等の多元的な生物情報を統合的に解析する統合解析シ ステムを導入し,共同研究の開始に向けた準備を行う。

③. 植物の多様な生育環境(温度,湿度,日長,二酸化炭素濃度)を精密に制御する野外型精密環境制御装置を導入し,様々な環 境下で植物育成を行い,長期間にわたる多元的生育情報をネット配信によって所外研究者へ提供するための整備を行う。

④. 水生動物室の大規模な改修を行い,精密な温度管理下での淡水及び海水生物の飼育を可能とすることにより,環境応答研究な どの水生動物を用いた共同利用・共同研究を促進する。

(生理学研究所)

①. 分子から個体そして社会活動に至る各レベルのイメージング技術を用いた共同利用研究を発展させ,データ解析手法の開発も 行う。特に,革新的なコネクトミクス技術を応用した研究を行う。

②. 対人関係など社会関係における脳機能等が測定可能な2台の同時計測用機能的磁気共鳴画像装置(dual - fM R I)を用いた共同利 用実験,共同研究を推進する。また,超高磁場機能的磁気共鳴画像装置(7T - f M R I)導入のための準備を進めるとともに,導入 後の共同利用実験開始に向けて関係研究者コミュニティでの情報交換を強化する。

③.ナショナルバイオリソースプロジェクト(NB R P)の一環として,利用者のニーズに沿ったニホンザルの安定した供給を進める。 疾病対策を強化するなど,供給ニホンザルの一層の高品質化を図る。長期的安定供給のための体制整備を引き続き検討する。

④.課題を設定して重点的に進める計画共同研究を行う。特に,平成24年度に設置されたウィルスベクター開発室より,ウィルス ベクターの供給を開始する。

⑤.実験動物の検疫管理体制を強化するために,岡崎共通研究施設・動物実験センターに研究教育職員1名を新たに配置する。

(分子科学研究所)

①. 極端紫外光研究施設において,高輝度放射光源の特性を余さず引き出すためのビーム制御技術や低エネルギー放射光施設の特 徴を活かした観測装置の更なる高度化を目指す。分子制御レーザー開発研究センターとのレーザー運用及び応用技術に関する 連携を継続し,レーザー光と放射光を同期させた利用実験を推進する。

②. 新設の協奏分子システム研究センターが中心になって,分子スケール,ナノスケール,メゾスケールなど各階層の分子科学を つなぐことで従来のナノ分子科学を越えた新分野を展開する。高磁場 NM R などの先端的計測設備を相補的・有機的に共同利用 し,多様な分子系に対する高度な動的構造機能研究を推進する。

③. 計算科学研究センターにおいて,スーパーコンピュータ及び汎用コンピュータの大規模な計算資源を駆使した機能性分子や生 体分子等の電子状態,反応やダイナミクスに関する理論・計算分子科学研究を推進する。

(2)共同利用・共同研究の実施体制等に関する目標を達成するための措置

①. 国立天文台では,共同利用を行っている各観測所・センターがユーザーズ・ミーティングを開催し共同利用研究者の意見を集 約するほか,分野ごとの専門委員会(約半数が台外委員)による審議・助言を得て,観測所の運用や共同利用観測装置の性能・ 運用の改善に資する。

②. 核融合科学研究所では,コミュニティの要請に応えるべく計測器貸出制度や双方向性を持った共同研究を更に推進することに より,機器の有効利用や研究者の相互交流を進める。

③. 基礎生物学研究所では,生物機能解析センター及びモデル生物研究センターの設備の充実,利便性の向上によって,質の高い 共同研究を推進する。

④. 生理学研究所では,研究者コミュニティの意見を得て,計画共同研究等の改善を図る。特に,新たに三次元走査型電子顕微鏡

(3D -S E M)を用いた計画共同研究の実施を開始する。

⑤. 分子科学研究所では,共同利用研究申請,審査,成果報告を W eb 上ですべて処理できる,電子申請システムを構築し,共同利 用研究の利便性向上に取り組む。また,この取組の効果を検証し,必要に応じてシステムを修正することにより,システムの より一層の充実を図る。

⑥. 国立天文台ハワイ観測所では,米国ハワイ州マウナケア山頂の他の観測所等と観測時間の交換を行い,共同利用観測者に多様 な観測機会を提供する。また,アルマ東アジア地域センターでは,その本格運用を継続し,共同利用・共同研究を推進する。 V E R Aと韓国の V L B I 観測網(K V N)との結合,中国,韓国との太陽系外惑星探索協力などを通して,東アジアを中心とした 研究交流を推進する。

⑦. 核融合科学研究所では,政府レベルの国際エネルギー機関実施協定や研究所間協定等に基づき,国際的な共同利用,共同研究 を総合的に推進する。

⑧. 基礎生物学研究所では,各種国際コンファレンスの開催によって生まれた国際共同研究の促進を図るとともに,研究成果の論 文発表等を積極的に行う。

⑨. 生理学研究所では,日米科学技術協力事業 「 脳研究 」 分野の事業を継続し,共同研究者派遣,グループ共同研究及び情報交換 セミナーによって研究交流の促進を図るとともに,新分野の開拓を行う。

⑩. 分子科学研究所では「分子研国際共同研究」をより柔軟に実施できるように国際共同研究担当職員を配置し,従来の事業に加 えて,「国際若手研究者招へいプログラム」,「国際インターンシッププログラム」,「アジア連携分子研研究会」,「ミニ国際シン ポジウム」等の新しい取組によって,アジア地域及び欧米の分子科学分野での国際研究交流・共同研究・研究集会を強化する。

⑪. 国立天文台では,大学連携型共同研究の枠組みにより,8大学4機関による国内 V L B I 観測網を駆使して電波天文学の研究を 進める。また,国立天文台と9大学による国内外の光赤外線望遠鏡の連携観測により,光赤外天文学の研究を進める。

⑫. 核融合科学研究所では,双方向型共同研究の枠組みにおいて,ヘリカル型核融合研究の重要課題解決を目指し,複数の参画大 学附置研究センターが連携協力する環境整備を進める。

⑬. 基礎生物学研究所では,植物科学最先端研究拠点ネットワークで導入した機器のうち,次世代 D N Aシーケンサーの一層の活 用を進めるとともに,既存の環境制御システムを発展させた新たな解析システムの導入により,共同利用・共同研究のより一 層の活性化を目指す。

⑭. 生理学研究所では,新たに,名古屋大学医学部・大学院医学系研究科及び放射線医学総合研究所との間に学術協定を締結し, 共同研究,人材交流,院生教育を連携的に推進する。また,脳科学の研究領域における戦略的プロジェクト等の研究成果が, 広く研究者コミュニティで利用できるように,実験技術・研究リソース等の積極的な提供を図る。特に,霊長類への遺伝子導 入実験を行う共同利用研究を推進するとともに,ウィルスベクターの開発をさらに発展させ,全国の研究者への提供を開始する。

(4)

⑮. 分子科学研究所では,機器センターが主体となって,「大学連携研究設備ネットワークによる設備相互利用と共同研究の促進」 及び「ナノテクノロジープラットフォーム」プロジェクト等を通じて,全国レベルでの研究者コミュニティのネットワーク構 築を継続・発展させ,先端的計測設備の相互利用による効率的な運用と,構造機能物性評価に関する共同利用・共同研究のよ り一層の活性化を支援する。

3 教育に関する目標を達成するための措置

(1)大学院への教育協力に関する目標を達成するための措置

①.引き続き高度な研究設備と国際的な研究環境を活かした研究を通じて,自然科学の広い視野と知識を備えた研究者を育成する。

②.総合研究大学院大学の教育に積極的に参加し,大学共同利用機関としての機能を生かした特色ある大学院教育を実施する。 . . 物理科学研究科の基盤機関である国立天文台,核融合科学研究所,分子科学研究所においては総合研究大学院大学の特別経費

による研究科を超えた教育プロジェクト「広い視野を備えた物理科学研究者を育成するためのコース別大学院教育プログラム」 を更に強化し,個々の学生の個性を活かした特長のある大学院教育を行う。また,e‐ ラーニングの整備を含む基礎教育の充 実や複数の専攻の協力による共通講義の整備を引き続き進める。

. . 生命科学研究科及び物理科学研究科の基盤機関である基礎生物学研究所,生理学研究所及び分子科学研究所においては,生命 科学研究の多様化に対応できる分野横断的な研究者の育成を目指し,異なる研究科と専攻を横断する「統合生命科学教育プロ グラム」をさらに充実させ,研究者の育成を行う。また,専攻を超えた教育システムである 「 脳科学専攻間融合プログラム 」 の受講者を中心に博士(脳科学)を授与できる体制整備を受け,引き続き本プログラムを推進する。また,e‐ ラーニングの 整備に基づいた基礎教育の充実や複数の専攻の協力による共通講義の整備を引き続き進める。

③. 全国の国公私立大学より特別共同利用研究員を受け入れ,大学院教育に協力する。また,東京大学大学院,名古屋大学大学院 等との間で,単位取得互換制度を備えた教育協力の実施を図る。

(2)人材養成に関する目標を達成するための措置

①. 優秀な若手研究者を,国内外を問わず公募して,博士研究員として受入れる。また,リサーチアシスタント(R A )制度等を充 実させ,優れた若手研究者の養成を図る。

. .更に寄附金や基金なども活用し,研究発表の機会の提供等,若手研究者・学生支援の充実を図る。

②. 各機関において,総合研究大学院大学の事業「夏の体験入学」及び「アジア冬の学校」を実施するとともに,総合研究大学院 大学大学院生を対象としたすばる望遠鏡や野辺山 45m 電波望遠鏡を利用した観測実習(国立天文台),全国の高等専門学校に対 する「核融合科学人材養成プログラム」(核融合科学研究所),学部学生,大学院生一般を対象とした「N 体シミュレーション の学校」(国立天文台),大学院生を含む東アジア若手研究者招へい事業や国際インターンシッププログラム(分子科学研究所), 国内研究者を対象にした「ゲノムインフォマティックストレーニングコース」(基礎生物学研究所),「生理科学実験技術トレー ニングコース」及び「多次元共同脳科学推進センタートレーニング&レクチャー」(生理学研究所),更には,海外からの体験 入学者を受け入れる「インターンシップ」(基礎生物学研究所,生理学研究所)等を実施し,大学院生を含む国内外の若手研究 者の育成に取り組む。

4 その他の目標を達成するための措置

(1)社会との連携や社会貢献に関する目標を達成するための措置

①. ホームページやメーリングリスト,広報誌を活用するとともに,プレスリリースを積極的に行い,社会に向けた最新の研究成 果や学術情報の発信を行う。また,一般公開や市民向け公開講座を行うとともにアウトリーチ活動のための広報スペースを確 保するなど,自然科学における学術研究の重要性を直接的にかつ分かり易く社会・国民に訴える活動を展開する。

②. 各機関において,出前授業・出前講義やスーパーサイエンスハイスクール事業等の理科教育に協力するとともに,国立天文台 での施設常時公開や定例観望会(月2回),核融合科学研究所の理科教育研究会等での教員との科学コミュニケーション,生理 学研究所の「せいりけん市民講座」の実施など,地域の特性を活かしつつ,自治体,公民館,理科教育研究会や医師会等との 協力による市民講座やセミナーの開催,理科・工作教室等の科学イベントの実施,クラブ活動への協力,医学生理学教材の開 発及び展示館の運営等を通じて科学の普及活動を実施する。

③.学術成果を社会に還元するため,民間等との共同研究や受託研究等を適切に受け入れるとともに,研究で得られた成果を公開し, その普及を促進する。また,知的財産等の創出としての特許出願を支援するとともに,特許収支を考慮した登録特許の適切な 管理(評価・PR・維持)を実施する。

(2)国際化に関する目標を達成するための措置

①. 我が国の自然科学分野における国際的学術拠点として,機構長のリーダーシップの下,国際戦略本部を中心に,欧州分子生物 学研究所(E MB L )やプリンストン大学(米国)等との国際的な共同研究を積極的に実施する。また,国際交流協定等への貢献 を通じて国際的な研究成果の実現に貢献する。

②.各機関において,すばる国際研究集会(国立天文台),国際土岐コンファレンス(核融合科学研究所),基生研コンファレンス(基 礎生物学研究所),生理研国際シンポジウム(生理学研究所),岡崎コンファレンス(分子科学研究所)等の各機関主催の国際 シンポジウムを開催し,国際交流を進める。更には,各機関が締結した国際学術交流協定などに基づき,海外の主要研究拠点 との研究者交流,共同研究,留学生受入を推進するとともに,外国人研究者の採用を促進し,国際的研究・教育拠点を構築する。 人事公募においては,ホームページに英語による研究者の採用情報の掲載(国立天文台,生理学研究所検討中)やウェブによ る応募受付システムの採用(国立天文台検討中)などを広め,海外からの応募を可能とするとともに,機構で働く,もしくは 機構を訪問する外国人研究者のために,就業規則等の必要な文書について英文化を計画的に進める。

Ⅱ 業務運営の改善及び効率化に関する目標を達成するためにとるべき措置 1 組織運営の改善に関する目標を達成するための措置

①. 機構長のリーダーシップの下,役員会や外部委員を含む経営協議会,教育研究評議会等を開催して,研究の促進に向けた不断 の点検を行い,必要な改善を行う。

②. 各機関の運営会議等において,研究計画や共同利用・共同研究の重要事項について,外部の学識経験者からの助言や意見を参 考に,各研究分野の特性を踏まえた業務の改善を実施して効率的な運営を進める。また,核融合科学研究所及び分子科学研究 所では,豊富な学識経験者を顧問に任命し,助言を受ける。

③. 機構長のリーダーシップの下,各機関が一体となって自然科学の新分野の創成を図るため,新分野創成センターの体制を充実 させるとともに,「宇宙における生命」研究分野を設置する。また,若手研究者による萌芽的な分野間協力形成の支援等を行う とともに,研究者交流の活性化を図る。

④. 研究教育職員の採用は原則として公募制により実施し,その人事選考は外部委員を含む運営会議で行い,透明性・公平性の確 保を図る。また,研究者の流動化による研究の活性化を図るため,分子科学研究所においては,内部昇格禁止を実施し,生理 学研究所では教授への内部昇格禁止と任期制の併用,その他の機関においては,各分野の特徴を踏まえた任期制を実施する。

(5)

⑤. 技術職員,事務職員の専門的能力の向上を図るため,機構及び各機関主催の研修を計画的に実施しつつ,外部の研究発表会, 研修等へも積極的に参加させる。また,機構内部の研修については,研修内容の見直しを行う。

⑥.男女共同参画社会に適した環境整備を行うため,男女共同参画推進に向けたアクションプランを計画的に実施する。そのために, 男女共同参画推進のパンフレットを作成して,職員への内部啓発や広報活動を行う。また,機構全体としてポジティブアクショ ンを取るための準備体制を整える。

2 事務等の効率化・合理化に関する目標を達成するための措置

①.機構全体として効率的な事務処理を推進するため,業務の見直しを行うとともに,事務職員人事の一元化を着実に進める。

②. 情報の共有化やシステム化を進めるため,機構横断的な情報化担当者連絡会を開催する。また,各機関の業務実績を一元的に 管理するシステムの構築を進める。

③.事務職員について,能力及び業績に関する人事評価を行うとともに,事務局と各機関間の人事異動を推進する。

Ⅲ 財務内容の改善に関する目標を達成するためにとるべき措置

1 外部研究資金,寄附金その他の自己収入の増加に関する目標を達成するための措置

 自己収入の増加を図るため,外部研究資金の募集等の情報を機構一体的に掲載するために開設した W eb ページを見直し,充実さ せる。

2 経費の抑制に関する目標を達成するための措置

①. 各分野の研究推進及び共同利用・共同研究の更なる強化を図るため,年俸制常勤職員制度等を活用して優秀な研究者を採用す るなど,適正な人件費の管理を行う。

②. 水道光熱費,消耗品費,通信運搬費などの人件費以外の経費について,経年及び月単位の変化の増減分析の実施や機構内他機 関の節減事例を参考にする等して,契約方法を見直す等の節減方策の検討を行い,経費削減に努める。

3 資産の運用管理の改善に関する目標を達成するための措置

①. 引き続き,固定資産の管理及び活用状況を点検するため各機関の使用責任者に加えて資産管理部署による使用状況の確認も実 施する。また,所期の目的を達成し,活用されていないものを公開した W eb ページの情報内容について周知徹底を図り,有効 活用を促進する。

②. 国立天文台野辺山地区の職員宿舎等を転用して設置した「自然科学研究機構野辺山研修所」を機構全体の研修施設として運営 する。

. . また,国立天文台乗鞍コロナ観測所を転用して設置した「自然科学研究機構乗鞍観測所」及び生理学研究所伊根実験室を転用 して設置した「自然科学研究機構伊根実験室」を全国のあらゆる自然科学分野の研究者のための共同利用施設として運営する。

Ⅳ 自己点検・評価及び当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するためにとるべき措置 1 評価の充実に関する目標を達成するための措置

①. 研究体制及び共同利用・共同研究体制について,国際的見地から各機関の特性に応じた自己点検及び外部評価等を実施し,そ の結果を広く公開するとともに,必要に応じて見直しを行う。

②.機構全体としての業務運営の改善に資するため,年度計画に基づく実績の検証を行うとともに,平成24年度に実施した外部評 価における意見を踏まえ,組織運営の充実を図る。

2 情報公開や情報発信等の推進に関する目標を達成するための措置

 機構の活動,財務内容や共同利用・共同研究の状況等を,シンポジウムの開催及び W eb ページの充実,報道発表の実施等により, 一般社会へ分かりやすく発信する。

Ⅴ その他業務運営に関する重要目標を達成するためにとるべき措置 1 施設設備の整備・活用等に関する目標を達成するための措置

①. 環境への影響が少なく安全性の高い将来の核融合発電の実現に向けた学術研究を推進するため,大型ヘリカル実験の基盤とな る施設設備の整備を行うなど,各機関において研究の高度化に対応して緊急に研究環境を向上させる必要のある施設・設備等 の整備を行う。

②.施設実態調査及び満足度調査を行うとともに,その結果に基づき重点的・計画的な整備並びに,施設の有効活用を推進する。

③.施設・設備の維持・保全計画に基づいた維持保全を行う。 2 安全管理に関する目標を達成するための措置

①.防火,防災マニュアルの役職員への周知を徹底するとともに,防災訓練等を実施する。

②. 職員の過重労働に起因する労働災害の防止策について,各機関で設置する安全衛生委員会等で検討し,必要な対策を講じる。 また,メンタルヘルスケアのためにストレスチェックを行う。

③.機構の情報システムや重要な情報資産への不正アクセス等に対する十分なセキュリティ対策を行うとともに,情報セキュリティ セミナー等を開催して,セキュリティに関する啓発を行う。また,セキュリティに関する事例の機構内共有を促進する。 3 法令遵守に関する目標を達成するための措置

 法令違反,論文の捏造・改ざん・盗用,各種ハラスメント,研究費の不適切な執行等の行為を防止するため,各種講習会やセミナー 等を実施し,周知徹底を図る。

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